水のコラム
浴槽の交換はDIYでも可能?交換方法や費用は?
「汚れが浴槽に溜まり洗っても落ちなくなった」「自分で直したいけどDIYは可能?」そろそろ浴槽交換の時期なのではないかと考えている人もいるでしょう。今回は、浴槽交換はDIYでもできるのか。具体的な交換方法や費用について解説していきます。
浴槽の交換はDIYでも可能?
浴槽交換がDIYでもできるかお伝えする前に、まず浴槽の設置方法について触れていきます。設置方法は大きく分けて次の2つ。「すえ置きタイプ」と「埋め込みタイプ」です。また、風呂場の作りも在来工法とユニットバスとでは大きく異なります。在来工法とは、日本に古来からある伝統的な木材を使った「木造軸組み工法」のことです。
ズバリ、DIYでも交換工事しやすいのは、在来工法であれユニットバスであれ、「すえ置きタイプ」のものになります。埋め込まれているユニットバスの場合は浴槽のみの交換工事はできません。
在来工法による埋め込みタイプ浴槽のケースでは、浴槽周辺のタイルや壁面・床面などを取り壊さなければ交換できないので、大工事になることはまちがいありません。
旧浴槽を処理したあとは、新品設置する前に下地調整をしなければならないでしょう。また、新品の浴槽が扉から搬入できないとき、壁面をいったん壊す作業も出てきます。
くわえて、新品の浴槽を埋め込んだあとは一度壊した壁面や床面を元通りにしなければなりません。
結論は、埋め込みタイプの浴槽は大変困難で専門業者の高度なテクニックや知識が必要なので、おすすめできません。
もし埋め込みタイプの浴槽を交換したいときは専門業者に依頼するのがいいです。
■浴槽の設置方法
浴槽の設置方法には下記3つになります。
・すえ置きタイプ:床面に直接置くタイプの設置方法、外国の浴室によくみられるものですが、最近では日本でも個性的な形の浴槽を置いて独自の空間をつくる人も増えています。
このタイプのメリットは、浴槽交換がやりやすいことです。
・半埋め込みタイプ:このタイプは浴槽を床から3分の1くらい埋め込み、床面から40cmくらいの高さに設定した浴槽で、最もポピュラーな設置方法です
すえ置きタイプより浴槽への出入りが簡単なことが利点ですが、浴槽交換はしにくいでしょう
・埋め込みタイプ:埋め込みタイプは床面と同じ高さまで浴槽を埋め込む設置方法です、浴室の空間にゆったりとした広がりを持たせられるのがメリット、しかし汚い湯水が浴槽内に流れ込みやすいのが弱点、とくに高齢者や子どもには危険も伴なうので手すりやバーの設置が必須
浴槽の交換方法
ここからは浴槽の交換方法について解説していきます。すえ置き・埋め込み両タイプの浴槽交換方法の手順は下記のようになります。ぜひ工事前に確認してみてください。
■すえ置きタイプ
・旧浴槽を撤去します
・浴槽を設置する床面の排水勾配をチェック
・浴槽を据えつけるときはアンカーボルトをつかい、しっかりと床面に固定します
■埋め込み(半埋め込み含む)タイプ
・浴槽周辺のコンクリートやタイルなど機械つかって解体し、旧浴槽を撤去、元の浴槽より大きな浴槽に交換するときは、新品の浴槽に合わせて周辺を解体
・配管や下地の状態をチェックし、浴槽の深さに合わせて下地の調整をします
・新品の浴槽を埋め込んで設置し、循環配管をつなげます
・煉瓦やモルタルで浴槽周辺を埋めてタイル貼りします
先述しましたが、新品の浴槽が扉から入らないときは壁面解体工事や再構築工事が必須です。
■浴槽交換のときの注意点
ここからは新品の浴槽に交換するときの注意点を解説していきます。在来工法の浴槽やユニットバス交換工事にも関わる項目があるので、浴槽を交換するときは注意しましょう。
▪︎新品の浴槽が扉から入るのか
これは、とりわけ在来工法による浴槽交換工事の注意点です。旧浴槽を解体したのち、新品のものを風呂場に搬入するまでの入り口の扉が浴槽を通せるサイズになっていますか?
もしも扉から浴槽を通せないときは、風呂場入り口扉や床面を破壊して浴槽を入れたあと、再構築しなければなりません。とくに、マンションなどは間口が狭いことが多いです。気をつけましょう。
場合によっては在来工法の浴槽をユニットバスタイプに変えた方が良いということもあります。
表口の狭い住居に住んでいて浴槽を交換したいと考えている方は、この機会にユニットバスへリフォームしてみるのもいいかもしれません。
▪︎賃貸物件ではリフォーム許可が必要
現住宅が賃貸のときは、浴槽交換には許可が要ります。「退去時に原状回復すればいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、浴槽交換リフォームのような大工事では、家主の許可なく勝手にリフォーム工事はNG。
さらに賃貸物件では使い古すまでリフォームしないのが通常です。たとえば、お風呂のお湯が出てこないということであれば、湯沸かし器の修理工事などをしてくれますが、「古いから」や「表面に亀裂が入っている」ぐらいでは浴槽を交換してもらえないでしょう。
仮に賃貸物件で浴槽を交換したかったら、あらかじめ仲介管理会社に問い合わせることをおすすめします。よっぽど浴槽が痛んでいる場合は、大家さん負担で交換してもらえるかもしれません。
▪︎DIYで浴槽の補修や塗装はリスク
浴槽を交換するよりもリーズナブルだからといって、DIYで補修や塗装するのはリスクがあります。ほぼ毎日大量のお湯を流し込む浴槽には適切な下地処理が必要です。
また塗装するときも、塗料の種類によってはかえって亀裂が悪化してしまうことも。くわえて、溶剤系の塗料を閉された風呂場で使うと、人体に害を与えることもあるでしょう。
DIYで浴槽を塗装して失敗したとき、専門業者に修正してもらうためには一旦塗ったものを剥がす必要があり、手間がかかります。
最終的に依頼工事するよりも余分な費用がかかるため、DIY浴槽リフォームはあまりおすすめできません。
浴槽の交換費用
浴槽交換に伴う費用は、すえ置きタイプか埋め込みタイプかで大きく異なります。すえ置きタイプのケースは、浴室の床面や壁面などの解体費用が必要ありません。したがって新品浴槽の本体と設置費用のみになります。その際には古い浴槽の撤去費用や処分費用も含むことになります。
実際の設置費用は4〜5万円くらい。10万円台の浴槽を購入した場合の交換費用は15万円くらいになります。
一方、埋め込みタイプの浴槽のケースでは、浴槽周辺や壁面・床面の解体、浴槽下部の下地調整。新品浴槽の設置から新品浴槽を設置した後の床や壁面の再取り付け工事など多くの工事が必要になります。
したがって、工程が多くなれば多くなるほど費用がかかってきます。通常埋め込みタイプの浴槽交換にかかる工事費用は、30万円〜50万円くらい。ただし、工事の量や浴槽の種類によって違ってきます。
■浴槽の種類と価格相場
・FRP:ガラス繊維強化プラスチック(FRP)は、浴槽の素材として1番ポピュラーな素材、耐久性・耐衝撃性・保湿性に秀でた軽くて柔らかく温もりを感じれるのが特徴、ただし、20年以上経つとクラック(ひび割れや亀裂)や色褪せが生じることがしばしばFRPの価格相場は、5万円〜30万円
・ホーロー製浴槽:ホーローは、金属の表面上にガラス質の釉薬を塗って高温で焼き付けたマテリアル、保湿性や耐久性、耐水性に優れ色味の美しさや肌触りのなめらかさが魅力です
ただし、時間が経つと表面上のガラス質が剥がれ、サビが発生
ホーローの価格相場は、15万円〜60万円
・ステンレス製浴槽:ステンレスは、耐久性・耐熱性・保湿性に秀でており、傷つきやサビに強く価格もリーズナブルなので利点が多い、ただし、金属独特の冷たい肌触りや無機質感がきらいという人も多くいます
最近では、カラー塗装されたステンレスが流行っており、「カラーステンレス素材」として売りに出されています
ステンレスの価格相場は、6万円〜25万円
DIYが難しい場合は業者へ依頼
浴槽交換工事の際の注意点のところでもお伝えしましたが、DIYで浴槽交換をする場合は、とても手間がかかり失敗する可能性も低いとは言えません。その失敗を勉強と捉えることもできますが、予算オーバーせず確実に工事を成功させたいのなら、迷わず専門業者に依頼すべきでしょう。
まとめ
ここまで浴槽交換のDIYの可能性について解説してきました。DIYでする場合、状況によっては安く済ませることもできますが、基本的にはリスクがあると考えておいた方がいいでしょう。
業者に頼むかどうか検討している方は、その点を踏まえて結論を出しましょう。
監修者
主任
藤本 久幸
《略歴》
弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを修了し、高度な技術と知識を身に着け年間約800件の現場で対応を行う水回りトラブル解決のエキスパートである。
実際に様々なトラブルの対応を行った経験から水回りのトラブルでご家庭で実践可能なことから、トラブルを予防するために行えることをお届けしたいと思っています。
大分のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「おおいた水道職人(大分水道職人)」