トイレの手洗い管からの水の出が悪い場合の原因と対処法とは

トイレの手洗い管からの水の出が悪い場合、日常生活に大きな不便を感じることもあるかもしれません。

この記事では、トイレの手洗い管から水が出なくなる主な原因とその対処法について詳しく解説します。止水栓の閉まり、ボールタップや浮き球の故障、ダイヤフラムの劣化など、さまざまな原因を考慮し、具体的な解決策を提供します。

手洗い管からの水の出が悪い際の原因

トイレの手洗い管から水の出が悪い場合、日常生活に不便を感じることが多くなるでしょう。水の流れが悪いというのは、小さなサインかもしれませんが、放置しておくとより大きな問題へと発展する可能性があります。

ここでは、主な原因を詳しく見ていきましょう。

止水栓が閉まっている

止水栓は、通常は給水タンクへの水の流れを制御するために使用されますが、この栓が閉じていると、水は全く流れません。とくに、家庭内で小さなお子さんがいる場合や、最近家で水まわりのメンテナンス作業を行った後は、意図せず止水栓が閉められてしまっていることがあります。この場合、止水栓を確認し、それが閉まっていれば、簡単に開けることで水の流れが復旧します。止水栓はタンクの下部や側面に位置しており、通常は簡単にアクセスできる場所にありますので、チェックしてみてください。

また、止水栓の操作は簡単で、多くの場合、手で回すだけで開閉できます。もし止水栓が固く動かない場合は、プライヤーやレンチを使用してゆっくりと力を加えると良いでしょう。

ボールタップが故障している

ボールタップは、タンク内の水位を制御する重要な役割を果たしている部品です。この部品が正常に機能しないと、水の給水が遮断され、結果的に手洗い管からの水流も停止します。故障の兆候としては、タンク内の水位が適切に調整されず、オーバーフローするか、逆に水が全く供給されない状態が見られます。

この問題を解決するためには、まずボールタップと接続されているじゃばらホースを外し、ボールタップ自体の機能を確認することが重要です。ホースを取り外した状態で、浮き球が下がっても水が出ない場合、ボールタップの故障が確定的です。この場合、ボールタップは新しいものに交換する必要があります。

浮き球が故障している

浮き球はトイレのタンク内で水位を感知し、適切な水量が保たれるように給水弁の開閉を制御します。この浮き球が正常に機能しないと、水の流れが不安定になり、最終的には手洗い管から水が出なくなる可能性が高いです。故障の典型的なサインには、水位が過剰に高くなることや、反対に水が全く給水されない状態があります。浮き球やその取り付けアームが破損している場合、水位を正確に読み取ることができなくなってしまいます。

この問題を解決するためには、タンクの蓋を開け、浮き球の状態を直接確認することが重要です。浮き球が適切に動かない、または明らかな物理的損傷が見られる場合は、新しい浮き球に交換する必要があります。

ダイヤフラムが故障している

ダイヤフラムはトイレのタンク内で水圧を調整し、適切に水を給水する役割を持っている部品です。この部品が損傷すると、水の流れが不安定になり、場合によっては全く水が流れなくなることもあります。とくに、ゴム製の場合、経年劣化により硬化したり、亀裂が入ったりして正常に機能しなくなることが多いです。これが故障すると、タンクに水が溜まるのを止めることができなくなり、水漏れの原因にもなり得ます。

故障が疑われる場合は、タンク内部の点検を行い、視覚的に確認することが重要です。見た目に明らかな損傷がある場合や、長年使用している場合は、新しいものに交換することをおすすめします。

フィルターが詰まっている

トイレの手洗い管からの水の出が悪い原因として、フィルターの詰まりが考えられるでしょう。このフィルターは水道水に含まれる微細な異物を捉える役割を持っていますが、長期間の使用により砂やサビ、カルキなどが蓄積されることで水の流れを妨げることがあります。フィルターが詰まると、手洗い管から水が適切に流れなくなるため、水量が減少し、場合によっては完全に水が出なくなることもあるので注意しましょう。

この問題を解決するには、フィルターを定期的に清掃することが重要です。具体的な方法としては、フィルターを取り外し、古い歯ブラシや小さなブラシを使用してゴミや汚れを丁寧に除去します。見た目に目立つ汚れがある場合や、水の流れが以前に比べて明らかに悪くなった場合は、フィルターの交換も考慮に入れるべきでしょう。

じゃばらホースが破損している

じゃばらホースはボールタップから手洗い管に水を送る重要な役割を担っており、亀裂や穴があると水漏れが発生し、十分な水圧で水が供給されなくなることがあります。

具体的な症状としては、ホースの破損部分から漏れる水によって、手洗い管からの水流が極端に弱まるか、まったく出なくなることが考えられます。この問題を解決するためには、まずじゃばらホースを視覚的に確認し、破れや亀裂がある場合は新しいホースに交換しましょう。

手洗い管からの水の出が悪い場合のトラブル

トイレの手洗い管から水が適切に出ない状態が続くと、深刻なトラブルが発生する可能性があります。水の流れが不十分または完全に停止してしまうと、ただ不便なだけでなく、衛生的な問題や構造的な損傷にもつながりかねません。

ここでは、水の出が悪いことによって引き起こされる主なトラブルを見ていきましょう。

排水できなくなる

トイレの手洗い管から水が適切に流れない場合、最も深刻な結果の1つが排水の停止です。水がタンク内に十分に溜まらないため、フラッシュが機能しなくなり、結果としてトイレが使用不可能になってしまいます。この状態は、家庭や施設にとって重大な不便をもたらすことになるでしょう。

水の流れが悪いと感じたら、止水栓の開閉状態、フィルターやホースの詰まり、そしてボールタップの機能をすぐに点検することが重要です。早期の対応が、より大きな問題を防ぎます。

悪臭の原因になる

トイレの手洗い管から水が適切に供給されない場合、排水システム内で封水の機能が低下し、結果として悪臭が発生する可能性が高いです。封水は通常、便器のＳ字管内に水を溜めておくことで、下水の臭いが室内に戻ってくるのを防ぎます。しかし、水の流れが不足するとこの水のバリアが機能しなくなり、不快な臭いが生じてしまいます。この問題を避けるためには、手洗い管の流れを確保し、常に十分な水量が維持されるようにすることが必要です。

詰まりの原因になる

手洗い管からの水流が不足すると、トイレの排水機能にも悪影響を及ぼします。とくに、トイレットペーパーなどが排水管内で十分に流されずに留まりやすいです。水量が充分でないと、管内に滞留し、やがては深刻な詰まりを引き起こす可能性があります。

このような詰まりは、水の流れを阻害し、最終的にはトイレの使用が困難になるまで悪化することも少なくありません。定期的なメンテナンスと排水量の確保が、このトラブルを避けるカギとなるでしょう。

トイレが詰まった場合、詰まりの原因によっては自分でも解決できる可能性があります。詳しくはこちらの記事で解説していますのであわせてご覧ください。

トイレの詰まりを直す道具7選！自分で修理する方法も紹介

トイレの手洗い管から水が出ない場合の対処法

トイレの手洗い管から適切に水が出ない場合、迅速な対処が必要です。

ボールタップや浮き球、ダイヤフラムの故障は一般的な原因であり、これらの部品の交換が解決策となることが多いです。ここでは、これらの部品を交換する手順を見ていきましょう。

ボールタップと浮き球を交換する

ボールタップと浮き球を交換する手順は以下の通りです。

1. 1.止水栓を閉める：作業を始める前に、トイレの止水栓を閉めて水の供給を停止しましょう。


2. 2.水を抜く：タンクの蓋を取り外し、タンク内の水をすべて抜いてください。


3. 3.取り外す：ボールタップを固定しているナットを緩め、ボールタップと浮き球をタンクから取り外します。


4. 4.設置：新しいボールタップと浮き球を取り付け、ナットでしっかりと固定します。


5. 5.確認と調整：止水栓を開いて水を供給し、漏れがないかを確認しましょう。水位が適切に調整されているかも確認し、必要に応じて浮き球の位置を調整します。

上記の手順通りに交換作業を進めてボールタップと浮き球の交換が完了です。難しく感じた場合は悩まず専門業者に依頼しましょう。

ダイヤフラムを交換する

ダイヤフラムを交換する手順は以下の通りです。

1. 1.止水栓を閉める：安全のため、止水栓を閉めて水の供給を停止しましょう。


2. 2.水を抜く：タンクの蓋を取り外し、タンク内の残水を排出してください。


3. 3.取り外す：ダイヤフラムが設置されている部分にアクセスし、古いダイヤフラムを取り外します。


4. 4.設置：新しいダイヤフラムを同じ位置に取り付け、適切に固定します。


5. 5.最終確認：止水栓を開き、水を流して新しいダイヤフラムの機能と水漏れがないかを確認しましょう。

上記の手順通りに交換作業を進めてダイヤフラムの交換が完了です。専門業者に依頼することも可能ですので、自分でできそうにない場合は無理せずに依頼することを検討しましょう。

トイレの修理業者に依頼する際の費用相場

トイレの手洗い管のトラブルは、自分で修理するのが難しい場合が多く、専門の修理業者に依頼することが一般的です。

修理業者に依頼する際の費用は、作業の内容や業者によって異なりますが、一般的な料金の相場を知っておくことは、適切なサービスを選ぶ上で役立ちます。

以下の表は、トイレのタンク内部品の修理や交換に関する一般的な料金相場を示しています。

※上記の内容は、あくまでも参考価格ですので、詳しい費用に関しては専門業者に直接問い合わせてください。

トイレのトラブルは悩まずに専門業者へ

いかがでしたでしょうか。トイレの手洗い管から水の出が悪くなる原因には、止水栓の閉まり、ボールタップや浮き球の故障、ダイヤフラムの劣化、フィルターの詰まり、じゃばらホースの破損などが考えられます。これらの問題に対処するためには、各部品の点検と適切な修理・交換が必要です。また、トイレの水流が不十分な場合、排水停止、悪臭の発生、詰まりなどの二次的な問題が生じることがあります。迅速な対処と定期的なメンテナンスが重要であり、専門業者への依頼も視野に入れましょう。

おおいた水道職人では、水道局指定店として水回りに関するさまざまなトラブルに対応して解決しています。24時間365日受付を行っており、急なトイレのトラブルなどで今すぐ相談したい場合もお気軽にご連絡ください。

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監修者

主任

藤本 久幸

《略歴》

弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを修了し、高度な技術と知識を身に着け年間約800件の現場で対応を行う水回りトラブル解決のエキスパートである。
実際に様々なトラブルの対応を行った経験から水回りのトラブルでご家庭で実践可能なことから、トラブルを予防するために行えることをお届けしたいと思っています。