水のコラム
トイレの水が止まらない原因とは?原因の調べ方と対処法について
トイレの水流がずっと続くと困っている方に向けて、水が止まらない原因と対処法について解説します。
水が常にチョロチョロと出ている、ずっと水が流れているなどのトラブルが起きると、まず「原因」が気になることでしょう。
自分で対処できるのか、水道修理業者に相談したほうが良いのか悩む方も多くいます。
そこで今回の記事では、トイレで水が流れ続ける原因とともに対処法について解説します。参考にしてもらえれば、原因ごとに適切な対処が行えるようになるでしょう。
目次
トイレの水が止まらない場合の症状と原因
水流がずっと続く場合、原因はさまざまに考えられます。そして症状は原因ごとに変わるため、まずはどのようなトイレがどのような状態であるのか把握してから、原因を探ることが大切です。
それではトイレで水が流れ続ける場合、どのような症状ごとにどのような原因が考えられるのでしょうか?4つのパターンに分けて解説していきます。
症状と原因1:手洗い金具から水が流れつづける
まずは便器の上の手を洗うところから水が流れつづける症状が現れている場合は、次のような3つの原因が考えられます。
【原因】
- タンクの中の部品が不具合を起こしている
- ハンドルレバーの鎖がタンクの中の部品に絡まっている
- タンクの排水口を防ぐためのゴム栓がズレている
原因の多くはボールタップの不具合によるものです。またハンドルレバーの鎖がタンクの中の部品に絡まったり、タンク内の排水口を塞いでいるゴム栓がズレている可能性もあるでしょう。
ボールタップとは、トイレに流す水が溜まるタンクの中にある部品です。浮き球と呼ばれる丸いボールのようなものがついています。
タンクの中のボールのようなものは水に浮く構造となっており、トイレに流す水が溜まるタンクの中に溜まった水の量をはかって給水管からの水の供給を調整します。
しかしタンクの中の部品は長く使用すると劣化して壊れてしまうことがあります。便器の上の手を洗うところから水が流れつづけているようであれば、タンクの中の部品が原因であることが多いと考えてみてください。
症状と原因2:タンク内で給水の音が止まらない
タンク内で水が流れる音がずっと続く場合も、ボールタップやタンクの中のボールのようなものが不具合を起こしている可能性が高いでしょう。
また、タンク内のゴム栓が不具合を起こしている可能性も考えられます。基本的にはひとつ前の項目と同じ原因によって起きる症状です。
前項で解説したように、タンク内のボールのようなものは、給水管からの水供給を調整する部品です。もし正常に機能しなくなれば、「まだ水が溜まっていない」と認識されて、いつまでも給水が続くことがあります。
タンク内で水が流れる音が止まらないようであれば、タンク内に原因があるはずです。
症状と原因3:便器内で大量の水が流れつづける
便器内に大量の水が流れ続ける場合、トイレに流す水が溜まるタンク内のゴム栓や、タンク内で縦に伸びている管の不具合が原因と考えられます。
トイレに流す水が溜まるタンク内のゴム栓は、タンクの中の部品とつながってタンクからの排水を調整しています。そのためズレたり壊れたりすると、常にタンクから便器内へと水が供給される状態となってしまうのです。
そしてタンク内で縦に伸びている管とは、トイレに流す水が溜まるタンク内に設置されている縦型の配管のこと。亀裂が入ると、便器内にずっと水が流れつづけていることがあります。
症状と原因4:レバーの不具合で水が止まらない
レバーに不具合が起きていて、水が止まらなくなることもあります。たとえばレバーが下がらなくなって水が流れっぱなしになることもあるでしょう。
もしレバーが下がっているにもかかわらず水が止まらないようであれば、タンク内のゴム栓にチェーンが絡まっていることも考えられます。
どの症状も見られないようであれば、レバーの交換が必要かもしれません。レバー自体が故障していたり不具合を起こしていたりするのであれば、交換によって通常通りに使用できるようになるでしょう。
トイレの水が止まらない原因の調べ方
トイレで水が流れ続ける症状と原因について解説しました。しかし見ただけでは原因がわからない場合もあるでしょう。
そこで、水が止まらない原因の調べ方を紹介します。3つのステップに分けて解説しますので、原因の究明や解消のために参考にしてみてください。
①トイレの止水栓を閉める
トイレで水が流れ続ける原因を探る際は、まず止水栓を閉めましょう。止水栓を閉めるとトイレに流す水が溜まるタンクに水が供給されなくなり、点検をしやすくなります。
原因を究明するためには、点検をしなければなりません。まずは止水栓を閉めて水が溢れないようにしましょう。
②タンクのふたを開ける
止水栓を閉めたら、タンクのふたを開けましょう。トイレに流す水が溜まるタンクの中には、トイレで水が流れつづける原因となり得る部品が多く収まっています。ボールタップやゴム栓、タンクの中のボールのようなものなどです。
タンクのふたを開けて、それぞれの部品が正常に作動しているか確認してください。タンクのふたの開け方には3種類あります。そのまま持ち上げるだけで開けられるタンクもあります。
しかし接続部を緩めなければならないタイプや、ゴムバンドを取り外して外すタイプなどもあります。どのタイプであるか取扱説明書などで確認してから、割れないように正しくふたを開けてください。
③タンク内の水位に応じて対処する
タンクのふたを開けたら、タンク内の水位に応じた対処を行ってみてください。中には基準となる適切な水の量を示す目安があります。
適切な水の量を示す目安よりも上まで水が溜まっている場合は、タンクの中のボールのようなものを調節したり、タンクの中の部品を交換したりする対処が必要です。
ただし、適切な水の量を示す目安まで水が溜まっていない場合は、タンク内のゴム栓やレバーの交換が必要かもしれません。それぞれの詳しい症状と対処法については、次項で解説します。
【原因別】トイレの水が止まらない場合の対処方法
続いては原因別に、トイレの水が止まらない場合の対処方法について詳しく解説していきます。
タンクの水が適切な水の量を示す目安よりも上まで溜まっている場合、下までしか溜まっていない場合の2パターンでご紹介します。
トイレに流す水が溜まるタンクを開けた際、どのように対処すべきか迷ったときの参考にしてみてください。
水位線より上の場合
まずはトイレに流す水が溜まるタンクの水が、水位線よりも上まで溜まっていたときの対処法です。適切な水の量を示す目安よりも上に水が溜まっている場合には、次の手順で対処を行ってください。
【対処法】
- タンクを開けてボールのようなものを持ち上げてみる
- 給水が止まるようであれば水位調節リングと浮き玉の調整を行う
- もし給水が止まらないならタンクの中の部品を交換する
最初にタンクの中のボールのようなものを手で持ち上げてみてください。もし持ち上げた状態で水が止まったとしたら、水位調節リングと浮き玉の調整を行うことで不具合が解消されるかもしれません。
ただし、タンクの中のボールのようなものを持ち上げても水が止まらないこともあります。給水が止まらないならタンクの中の部品を交換しなければなりません。
タンクの中の部品で不具合が起きている可能性が高いため、部品の交換によって対処を行います。
水位線より下の場合
トイレに流す水が溜まるタンク内の水が適切な水の量を示す目安よりも下にあるなら、次の手順で点検と修理を行ってみてください。
【対処法】
- タンクを開けてレバーを回し水を流してみる
- 水が止まったならタンク内のゴム栓を点検する
- もし不具合があるならゴム栓を交換する
- 操作したレバーが元の位置に戻らないならレバーを交換する
- タンク内で縦に伸びている管にひび割れがあるなら管を交換する
水位が低いなら、タンクを開けてまずレバーを回してみましょう。レバーを操作して水が止まった場合は、タンクの下部にあるゴム栓がズレているなどの不具合であったかもしれません。
ゴム栓が正しくはまり、正常に戻るようであれば問題ありません。しかしゴム栓が壊れていることも考えられます。もしゴム栓自体に問題がある場合は、ゴム栓の交換が必要です。
さらにレバーを回したときにレバーが元の位置に戻らない場合、タンク内で縦に伸びている管にひび割れがある場合は部品を交換しなくてはなりません。
水位が適切な水の量を示す目安より下がっている場合は、部品の交換が必要となるケースが多いでしょう。
こちらの記事ではトイレの水位が低くなっているときの対処法について解説しています。あわせてご覧ください。
トイレの水位が低くなっている?自分で直す方法を教えます
トイレの水が止まらない場合に自力で対処する際の注意点
トイレで水が流れ続ける原因はさまざまに考えられます。しかしどのような原因であっても、自力で対処する際には注意したいポイントがあります。
自力で修理しようとする場合は、次のような確認も必要です。
注意点1:トイレの種類を確認する
自力で修理される際には、トイレの種類を確認してから行うことが大切です。たとえばタンクがなかったり節水型であるトイレ、そしてオール電化住宅のトイレは自力での修理が難しいかもしれません。
上記で挙げたトイレを修理するには、専門的な知識が必要であることが多いためです。分解修理が禁止されていることもあるでしょう。発火や感電のリスクもあるため、水道修理業者に任せたほうが安全です。
まずは修理しても問題がないタイプのトイレであるか、種類を確認してみてください。
注意点2:手洗い管とポールタップをつなぐホースの種類を確認する
もうひとつの注意点は、手洗い管とボールタップをつなぐホースの種類を確認することです。ホースの種類によって対処の方法は変わります。蛇腹式のホースであれば、ナットを外すことで対処可能です。
しかしゴムホースである場合は、バンドを外したり切断したりする必要があります。
事前にホースの種類を確認しておかなければ、必要な道具を用意できないかもしれません。トイレの種類とともに、ホースの種類を確認しておくことも重要です。
トイレの水が止まらない際に自力での対応が難しいケース
水流がずっと続くとき、原因によっては自力での対応が難しい場合もあります。専門知識が必要であったり、水が止まらない原因がわからなかったりする場合です。
修理をするとしても、自力で対処が可能であるかどうか、最初に見極める必要があります。次の2つのケースの場合は、自力での対応が難しいでしょう。
ケース1:オーバーフロー管を交換する場合
オーバーフロー管を交換する場合は、水道修理業者に依頼してみてください。オーバーフロー管とは、トイレに流す水が溜まるタンクの中にある縦型の配管のことです。
大掛かりな部品交換となるため、タンク内で縦に伸びている管に不具合が見られる場合は、自力での対処はほぼ不可能と考えたほうがよいでしょう。
ケース2:タンク内の部品の故障箇所がわからない場合
トイレで水が流れ続ける原因がわからない場合も、自力での対応は難しいでしょう。原因がわからなければ、どのような対処をすべきか判断できないでしょう。
水道修理業者に依頼して、適切な対応をしてもらってください。
トイレ周りの修理を業者に依頼した際の費用相場
トイレ周りの修理を水道修理業者に依頼した際の費用相場は次のとおりです。
- パッキンの交換:2,200円~
- ボールタップ交換:22,000円~
- トイレ本体の交換:49,500円~
- ウォッシュレットの故障:16,500円~
上記はトイレにおける水漏れ関連の修理費用です。水道修理業者や修理内容により費用は変わりますが、おおむね上記のような料金で修理が可能です。
トイレの水が止まらない状態を放置するリスク
原因がわからずトイレの水が止まらないまま放置してしまうと、次のようなリスクが生じます。トイレに不具合がある場合は、できる限り早めに処置を行うべきです。
リスク1:水道代がかさむ
まずは水が流れたままになることにより、水道代がかさむという問題が起こります。
少量ずつ流れ出していたとしても、いつもは止まっている水が常に流れていることになります。毎日、24時間ずっと水が流れている場合、1ヶ月間の水道代が大幅に増加する可能性があるでしょう。
リスク2:水漏れにつながる
水漏れにつながるリスクも考えられます。深夜などに誰もトイレを使用しない状態が続けば、水が溜まりすぎて床に溢れ出してしまうかもしれません。
すると室内にまで水が流れ出たり、集合住宅であれば階下まで水漏れ被害が及ぶかもしれません。
水が溢れると、たとえ掃除をしたとしても不衛生な状態になってしまいます。水漏れリスクは、生活に直接影響を及ぼすと言えるでしょう。
こちらの記事ではトイレで水漏れが発生した場合の対処法について解説しています。あわせてご覧ください。
トイレの便器やタンクから水漏れが発生!自力で対処する方法を紹介
リスク3:害虫の温床となる
水漏れによって害虫の温床となることも考えられます。室内で水漏れが起こると、ダニなどの害虫が繁殖しやすい環境に。畳の場合、含水率が15%以上になるとダニが発生しやすくなるとされています。
湿度90%以上であれば、ケナガコナダニが約20万匹にまで増殖するとの報告もあるほどです。
出典:J-STAGE:(PDF)家屋内にみられるダニと防除対策
ダニは人に害を及ぼすだけでなく、細菌を持っていることもあります。害虫の温床になることにより、健康被害のリスクも高まるかもしれません。
タンクレストイレの水が止まらない場合は?
タンクレストイレは自力での修理が難しく、応急処置として止水栓を締めるのみに留めるようにしてください。電気にて水を流す仕組みになっているため、水道修理業者に依頼しなければ修理できないでしょう。
もし設置してすぐであれば、メーカー保証を利用できることもあります。メーカーもしくは購入店に連絡してみてください。
大分県でトイレのトラブルにお困りなら“おおいた水道職人”
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、トイレの水が止まらない原因についてご理解いただけたと思います。
トイレで水が流れ続ける原因はさまざまですが、タンクがあるタイプのトイレであれば自力で修理できることもあるでしょう。
しかしやはり修理が難しかったり、自力で原因がわからなかったりすることもあるでしょう。おおいた水道職人では水回りのトラブルに最短30分で駆けつけます。
365日24時間受付しておりますので、水が止まらずお困りの場合は、いつでもご相談ください。
監修者
主任
藤本 久幸
《略歴》
弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを修了し、高度な技術と知識を身に着け年間約800件の現場で対応を行う水回りトラブル解決のエキスパートである。
実際に様々なトラブルの対応を行った経験から水回りのトラブルでご家庭で実践可能なことから、トラブルを予防するために行えることをお届けしたいと思っています。
大分のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「おおいた水道職人(大分水道職人)」