水のコラム
お風呂は「追い炊き」「保温」「足し湯」どれが一番お得?
バスタブに長く入っていると、段々お湯の温度が下がっていくのを感じます。そんなとき、「追い炊き・保温・足し湯」どの方法で温度設定を行うのが一番お得になるのか、知りたいですよね。
そこでこの記事では、どの方法がベストなのかを詳しく解説していきましょう。
それぞれの機能と仕組み
お風呂で利用するのは、ガス給湯器もしくは電気温水器またはエコキュートのいずれかになります。それぞれで仕組みが異なるので、ガスと電気それぞれで解説します。
・ガス給湯器の追い炊き機能
ガス給湯器で追い炊きをする場合は、浴槽のお湯を一旦給湯器に戻して加熱して、再び浴槽に送り出します。これを繰り返すことで、浴槽のお湯を設定温度まで温めることができます。
・電気温水器の追い炊き機能
電気温水器の追い炊き機能には、2種類の方法があります。
1つは昼間にタンク内のお湯を全て使い切ってお湯がなくなった場合、料金の高い昼間の電気代で沸かし直す機能です。
もうひとつは、ボイラーの追い炊き機能と同じように、循環機能によって浴槽内のお湯を設定温度まで温める機能です。この機能は、温水器の中にある新しい水と混ざることはなく、循環専用の配管によって温めているので、衛生的には問題ありませんのでご安心ください。
・ガス給湯器の保温機能
ガス給湯器の保温機能は、先ほど説明した追い炊きを連続して使用する方法です。
温度を40度に設定していると、浴槽内の湯温を自動的にチェックして、ある一定の温度まで下がったら、自動で追い炊きを開始。40度まで温度上昇したら、追い炊きをストップさせる機能です。
・電気温水器の保温機能
電気温水器の保温機能も、先ほど説明したガスの保温機能と同じです。違いがあるのは、ガスで温めるか電気で温めるかになります。
だたし、保温機能を使うならフルオートタイプの電気温水器を選ばなければなりません。
・ガス給湯器の足し湯機能
ガス給湯器の足し湯は、浴槽のお湯が減ったときに元の湯量まで戻す際に、設定温度のお湯を足す機能です。
40度の湯温に設定している場合で、1/2までお湯が減ったなら、40度のお湯を1/2プラスする機能となります。この場合だと、浴槽のお湯の量は元に戻りますが、温度は40度以下となります。
・電気温水器の足し湯機能
電気温水器の足し湯機能も、先ほど説明したガスの足し湯機能と同じ仕組みとなります。
違うのは、タンク式の場合だと足し湯に使った分だけお湯の量が減ることです。そのため、足し湯を繰り返すとタンク内のお湯がなくなる可能性もあり、その際には追い炊き機能を利用してお湯をカバーする必要があります。
また、エコキュートでは「高温足し湯機能」があります。通常の足し湯は40度の設定温度になるように、水とお湯を混ぜて40度にしています。
一方で、高温足し湯の場合は、水を混ぜることなく高温のお湯をそのまま足す方法です。浴槽内の冷めたお湯を設定温度に戻すには、この高温足し湯機能が有効とされています。
「追い炊き」「保温」「足し湯」どれがお得?
それぞれの機能が分かったところで、結局、「追い炊き・保温・足し湯」の、どの機能がもっともお得になるのかを解説しましょう。
・ガス給湯器のケースは「追い炊き」がお得
ガス給湯器を利用している場合は、プロパンガスと都市ガスとで料金は異なりますが、どちらも「追い炊き」がお得になります。
理由としては、水道代が不要になるからです。浴槽にある冷めたお湯をそのまま沸かし直すだけなので、ガス代のみで済みます。
・ガス給湯器の節約効果
ではここで、ガス給湯器の節約効果を数字でご覧いただきましょう。
・追い炊き:1日当たりの料金 約100円
・足し湯:1日当たりの料金 約110円
・保温:1日当たりの料金 約100円+α
保温の場合は、冷めたら追い炊きを繰り返すので正確な数字は分かりませんが、追い炊きの料金に若干上乗せされると考えるのが妥当なところでしょう。
・電気温水器のケースも「追い炊き」がお得
電気温水器のケースでも、もっともお得になるのは「追い炊き」となります。その理由はガスと同じで、水道代が不要であること。やはり、電気代だけで済む分、追い炊きが有効となります。
・エコキュートは「高温足し湯」がもっともお得
エコキュートの場合だと、追い炊きよりも「高温足し湯」の方がお得になります。
お湯が必要となりますが、既にタンク内に保存しているお湯を使うので、不足分は深夜電力でまかなうことが可能となります。浴槽内のお湯が減っていなければなりませんが、浴槽のお湯を上手く使いながら足し湯をするとよいでしょう。
翌日にお風呂を温め直す場合は?
お風呂を経済的に利用するなら、残り湯を翌日も利用する方法がベストでしょう。この場合でも、追い炊きがお得になるのでしょうか。
・ガス給湯器の場合はやはり「追い炊き」がお得
ガス給湯器のケースでは、翌日に温め直す場合でも「追い炊き」がお得になっています。特に冬場だと、浴槽内の冷めたお湯は水道水よりも温かいです。
その分、設定温度まで沸かすガス代が少なくて済みます。ガス代の差額プラス、水道代がお得になる訳ですね。
・電気の場合はエコキュートの「高温足し湯」がお得
電気の場合だと、通常の電気温水器はガス同様、「追い炊き」がお得となります。ですが、エコキュートの場合だとやはり「高温足し湯」がもっともお得な方法になっています。
まとめ
お風呂のお湯を沸かし直すときには、「追い炊き」が経済的に有効のようです。しかし、あくまでも浴槽内の冷めたお湯を温める場合に限っての話です。
お風呂では、かけ湯やシャワーなどお湯を使うシーンはたくさんあります。そのため、トータル的に考えるにはお風呂の入り方から考える必要があるでしょう。
ただ、浴槽のお湯を温かくするには「追い炊き」が効果的で、エコキュートの場合は「高温足し湯」がお得であることを知っておけば、コストカットに役立つでしょう。
監修者
主任
藤本 久幸
《略歴》
弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを修了し、高度な技術と知識を身に着け年間約800件の現場で対応を行う水回りトラブル解決のエキスパートである。
実際に様々なトラブルの対応を行った経験から水回りのトラブルでご家庭で実践可能なことから、トラブルを予防するために行えることをお届けしたいと思っています。
大分のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「おおいた水道職人(大分水道職人)」