水のコラム
トイレの吸い込みが弱いのはなぜ?自身でできる対処法を解説

トイレの水を流しても勢いよく吸い込まれなかったり、トイレットペーパーが便器内に残ったりすると、故障を疑う方もいるでしょう。吸い込みが弱くなる原因には、排水路のつまりだけでなく、タンクの水量不足や給水設備の不具合なども考えられます。また、原因を確認せずに何度も水を流すと、汚水が溢れるおそれがあるため注意してください。
この記事では、トイレの吸い込みが弱くなる原因や自身で試せる対処法、修理を相談する目安、予防方法について解説します。
目次
トイレの吸い込みが弱くなる主な原因
トイレの吸い込みが弱い場合は、便器から排水管へ水が流れにくい状態か、洗浄に必要な水量が不足している状態が考えられます。
また、タンク式トイレとタンクレストイレでは給水の仕組みが異なるため、それぞれの確認箇所に注意しましょう。まずは、以下の6つの原因から症状に当てはまるものを探しましょう。
便器内に汚れや異物が蓄積している
便器の排水路にトイレットペーパーや汚れが蓄積すると、水の通り道が狭くなり、吸い込みが弱くなる場合があります。例えば、一度に大量の紙を流したあとから排水が遅くなった場合は、便器の奥に紙が残っている可能性があります。
また、おもちゃや掃除用品などの固形物が引っ掛かっている場合もあるため、流したものに心当たりがないか確認しましょう。異物を無理に押し込むと奥で取れなくなるおそれがあり、注意が必要になります。
排水管の詰まりや通気不良が発生している
便器の先にある排水管がつまると、水や排泄物が流れにくくなります。長年の汚れの蓄積や、誤って流した異物などが原因になることもあるでしょう。一方、排水管内の空気が適切に出入りできない通気不良でも、排水の流れが不安定になる場合があります。
洗浄時に「ゴボゴボ」と音がする、ほかの水回りでも流れが悪いなどの症状があれば、便器だけでなく配管全体の不具合も疑ってみてください。
トイレタンク内の水量が不足している
タンク式トイレでは、あらかじめためた水を一度に流して便器内を洗浄します。そのため、タンク内の水位が適正な位置より低いと、排泄物を押し流す力が弱くなる場合があります。
例えば、止水栓が十分に開いていない、浮き球が引っ掛かっているなどの状態は、給水量不足の主な原因です。また、タンクに水がたまりきる前に続けて洗浄した時も、水量が足りなくなる可能性があります。
ボールタップやゴムフロートなどが故障している
ボールタップはタンクへの給水を調整し、ゴムフロートはタンク底の排水口を開閉する部品です。ボールタップが正常に動かないと必要な水がたまらず、洗浄時の勢いが弱くなることがあります。
また、ゴムフロートが劣化して隙間から水が流れつづけると、タンク内の水位が下がりやすくなります。洗浄していないのに便器へ水が流れる音が続く場合は、部品の劣化も考えられるでしょう。原因が分からないまま部品を外すのは避けてください。
節水によって水量が足りていない
節水のためにタンク内へペットボトルなどを入れると、洗浄に必要な水量が確保できず、吸い込みが弱くなる場合があります。タンクは製品ごとに適正な水量が決められているため、独自の方法で減らさないようにしましょう。
また、大便を小洗浄で流すと、排泄物やトイレットペーパーを十分に運べない可能性があります。洗浄レバーを正しく使用しているか確認し、節水用品を設置している場合は取扱説明書に従って見直してみてください。
タンクレストイレの給水圧が不足している
タンクレストイレには水道の給水圧を利用して洗浄する機種があり、給水圧が不足すると水の流れが弱くなる場合があります。例えば、建物の水圧が低い場合や、給水側のフィルターに汚れがたまった場合などが考えられます。ただし、洗浄方式は製品ごとに異なり、すべてのタンクレストイレが同じ仕組みではありません。
止水栓の状態やほかの蛇口の水量を確認し、設定変更やフィルターの掃除は機種の説明書に従ってください。
トイレの吸い込みが弱い時に自身でできる対処法
トイレの吸い込みが弱くても、タンクの水位調整や軽いつまりの解消で改善する場合があります。ただし、便器の水位が高い場合は追加で水を流さず、まず原因を確認しましょう。
ここでは、症状に合わせて試せる5つの方法を紹介します。なお、作業が難しい時は無理に進めないでください。
トイレタンク内の水位を確認して適切な高さに調整する
タンク式トイレでは、蓋を慎重に開けて水位を確認します。水位線がある機種では、その線より水面が低くなっていないかを見てください。また、タンク内に内蓋がある場合は、取り外せるタイプと取り外せないタイプがあるため、無理に外さないようにしましょう。
水位が低い時は止水栓の開き具合や浮き球の動きを確かめ、説明書に従って水位調整リングなどを操作します。もし、作業前に止水栓を閉める必要がある場合は、その手順も守ってください。調整後は正常に給水が止まるか確認しましょう。
便器のリム裏や排水口周辺を掃除する
便器のふち裏にある水の出口や排水口周辺に汚れが付着すると、洗浄水の流れ方に影響する場合があります。まずはトイレ用ブラシなどで見える範囲の汚れを落とし、水が偏らずに流れるか確かめてみてください。
また、尿石が付着している場合は、便器の材質に適した洗剤を選び、製品の説明に従って掃除しましょう。酸性洗剤と塩素系洗剤は絶対に混ぜないでください。硬い金属製の道具で無理に削ると、便器の表面を傷つけるおそれがあります。
ラバーカップ(スッポン)を使用する
トイレットペーパーによる軽いつまりが疑われる場合は、ラバーカップ(スッポン)を使用してみてください。便器の形に合うものを選び、周囲には汚水の飛散を防ぐシートを敷きましょう。
まず、便器内の水位が高い場合は水を汲み出し、カップが浸る程度の水を残します。排水口に密着させてゆっくり押し込み、勢いよく引く動作を数回繰り返してください。
ただし、固形物を流した場合は奥に押し込むおそれがあるため、使用を控えましょう。改善したと思っても、すぐにレバーで大量の水を流さないようにしてください。
排水が改善したかは、バケツから少量ずつ水を注ぎ、便器内の水位が上がらないか確かめましょう。
関連記事:トイレがつまった!ラバーカップがない時の代用解消法
真空式パイプクリーナーを使用する
真空式パイプクリーナーは、ハンドルを操作して水圧の変化を起こし、つまりの原因を動かす道具です。ラバーカップでは改善しない軽いつまりに使用する場合がありますが、便器に適合する製品を選ぶ必要があります。
また、作業前に床を養生し、水位が高すぎる時は汲み出してください。排水口に先端を密着させ、製品の説明書に従ってゆっくり操作します。固形物がつまっている場合や、強い抵抗がある場合は使用を中止しましょう。無理に圧力を加えると、便器や配管を傷めるおそれがあります。
関連記事:トイレの詰まりを直す道具7選!自分で修理する方法も紹介
40~50℃程度のぬるま湯を流す
水にほぐれやすいトイレットペーパーが原因の軽いつまりなら、ぬるま湯で状態が改善する場合があります。温度は40~50℃を目安とし、熱湯は絶対に使用しないでください。急激な温度変化によって便器がひび割れるおそれがあります。
まず、便器の水位が高い場合は汲み出し、溢れない量のぬるま湯を少しずつ注ぎます。その後、時間を置いて水位が下がるか確認しましょう。
ただし、固形物や深い場所のつまりには効果を期待できないため、改善しなければ作業を止めてください。
トイレの吸い込みが弱い時に見られる現象
吸い込みが弱い状態では、水位の上昇や異音などが現れることがあります。また、どの症状が出ているかによって、排水側と給水側のどちらを確認すべきか判断しやすくなります。
以下では、トイレの吸い込みが弱い時に見られる現象を確認していきましょう。
水を流すと便器内の水位が上昇する
洗浄した直後に便器内の水位が大きく上昇し、ゆっくりとしか下がらない場合は、排水路のどこかで水の流れが妨げられている可能性があります。つまりの位置が便器の奥なのか排水管なのかは、外から見ただけでは判断しにくいこともあります。
また、しばらく待つと水位が元に戻る場合でも、完全につまりが解消したとは限りません。繰り返しレバーを操作すると水が溢れるおそれがあるため、追加の洗浄は控えましょう。
トイレットペーパーや排泄物が流れきらない
排泄物やトイレットペーパーが便器内に残る時は、洗浄水量が足りないか、排水路に軽いつまりが起きている可能性があります。例えば、大洗浄を使用しているのに紙だけが残る場合は、タンク内の水位や排水口周辺の汚れを確認してみてください。一方、便器内の水がなかなか引かない場合は、排水管側の問題も考えられます。
何度も流して無理に押し込まず、水位が上がっていないか確かめましょう。
排水時にゴボゴボと異音がする
トイレを流した時に「ゴボゴボ」と音がする場合は、水と空気の動きが変化している可能性があります。洗浄時の短い音は正常な動作でも発生するため、音がしただけで故障とは限りません。
ただし、以前より音が大きい、長く続く、ほかの排水口でも異音がするなどの症状があれば、つまりや通気不良が疑われます。音が発生するタイミングと水位の変化を確認し、異常が続く時は無理な洗浄を控えてください。
便器から下水のようなニオイが発生する
便器の底にたまる水は封水と呼ばれ、下水のニオイが室内へ上がるのを防ぐ役割があります。排水管の通気不良などで封水が減ると、下水のようなニオイを感じる場合があります。
また、排水路に残った汚れも、ニオイの原因の一つです。便器内の水位が普段より低い時は、洗浄後に適正な水位へ戻るか確認してみてください。水を補充しても減りつづける場合は、排水設備の点検を検討しましょう。
トイレの吸い込みが弱い状態を放置するリスク
トイレの吸い込みが弱い状態を放置すると、排水が完全に止まったり、汚水が溢れたりするおそれがあります。また、無理な洗浄や誤った対処によって被害が広がる場合もあるため、症状が続く時は早めに原因を確かめましょう。
特に、便器の水位が高い時は、原因を確認するまで洗浄を控えてください。
排水管の詰まりが悪化して水が流れなくなる
はじめは水がゆっくり流れていても、排水路にトイレットペーパーや汚れが残りつづけると、さらに水の通り道が狭くなる可能性があります。やがて排泄物が流れなくなり、トイレを使用できなくなるおそれもあるでしょう。
また、流れが悪い状態で大量の水を繰り返し流すと、つまりを奥へ押し込む場合があります。少し時間を置けば流れるからと放置せず、症状が出始めた段階で確認してみてください。
汚水が溢れて床や階下に被害が及ぶ
排水管がつまった状態で洗浄を続けると、便器の水位が上がり、汚水が床へ溢れるおそれがあります。床材や壁の下部が濡れると、汚れやニオイが残るだけでなく、建材を傷める場合もあります。
また、集合住宅では床下へ水が回り、階下の天井や設備に被害が及ぶ可能性も否定できません。
水位が高くなったらレバー操作を止め、必要に応じて止水栓を閉めてください。床への水漏れがあれば管理会社や大家にも連絡しましょう。
便器や排水管の修理費用が高くなる
軽いつまりの段階で対処できれば、便器や配管を取り外さずに改善する場合があります。しかし、異物が奥へ移動したり、配管の破損を伴ったりすると、点検や修理の作業範囲が広がる可能性があります。そのため、吸い込みが弱い状態が続く時は、無理に対処法を繰り返さないようにしましょう。
修理にかかる作業費は原因や設備の状況によって異なるため、現地確認後のお見積もりで内容と金額を確認してください。相談する際は、製品の型番と症状が始まった時期を伝えると、状況の把握に役立ちます。
トイレの吸い込みが弱い時に水道修理業者へ相談すべきケース
自身でできる範囲の掃除や水位調整を行っても改善しない場合は、水道修理業者による点検を検討しましょう。また、固形物の落下や配管の破損が疑われる時は、無理に作業を進めないでください。
症状と試した対処法を整理しておくと、相談時に状況を伝えやすくなります。
掃除や水位の調整をしても改善しない場合
便器のリム裏を掃除し、タンク内の水位を確認しても吸い込みが弱い場合は、排水路の奥や内部部品に原因が残っている可能性があります。目に見える汚れだけでは判断できない場合もあるでしょう。
また、タンクの給水が正常でも便器に水が残る時は、排水側の点検が必要になるかもしれません。何度も水を流して確認するのではなく、洗浄後の水位や異音の有無などを記録しておきましょう。
排水管の奥に異物が入り込んでいる場合
おもちゃやスマートフォンなど、水に溶けないものを流した場合は、ラバーカップなどで無理に押し流さないようにしてください。異物が排水管の奥に移動すると、取り出すための作業が大がかりになることがあります。また、便器の排水路は曲がっているため、外から異物の位置を確かめるのは簡単ではありません。
相談の際に、落としたものの種類や大きさ、最後に正常に流れた時期を伝え、取り出す方法を確認しましょう。
共用排水管や配管の不具合が疑われる場合
集合住宅で複数の部屋や水回りに排水不良が起きている場合は、共用排水管のつまりや通気設備の問題が関係している可能性があります。個別の便器だけを掃除しても改善しないこともあります。
そのため、ほかの排水口でも異音や逆流がないか確認し、共用設備が疑われる場合は管理会社や大家へ連絡してください。共用部分を勝手に分解したり、洗浄したりするのは避けましょう。
なお、集合住宅では管理側が修理を手配することもあるため、連絡方法を確認しておきましょう。
トイレタンクや便器本体の修理・交換が必要な場合
タンク内の部品が破損している場合や、便器にひびが入っている場合は、部品交換や設備の取り替えが必要になることがあります。特に、給水部品を無理に外すと水漏れにつながるため、作業を中止しましょう。
また、古い機種では対応する交換部品が製造終了になっている場合もあります。修理と交換のどちらが適しているかは、製品の型番や設置状況によって変わるため、現地で状態を確認してもらいましょう。
トイレの吸い込みが弱くなるのを防ぐ方法
吸い込みの弱さを予防するには、つまりの原因になるものを流さず、トイレ本来の洗浄水量を保つことが役立ちます。また、掃除や点検を続けると、水の流れ方が変わった時に気づきやすくなるでしょう。
以下では、日頃から取り入れやすい4つの方法を紹介します。
トイレットペーパーを一度に大量に流さない
トイレットペーパーは水中でほぐれやすいものの、一度に大量に流すと便器の排水路でまとまり、つまりの原因になる場合があります。紙の使用量が多くなった時は、数回に分けて流すことを意識してみてください。
また、ティッシュペーパーや生理用品、掃除用シートなどは、水に流せると表示された製品を除き、便器へ流さないようにしましょう。「流せる」と表示された製品でも、説明された枚数や使用方法を守ってください。
大・小の洗浄レバーを正しく使い分ける
大・小の洗浄レバーは、流すものに合わせて水量を切り替えるためのものです。大便やトイレットペーパーを多く使用した時は大洗浄を選び、十分な水量で流しましょう。
一方、節水を意識して毎回小洗浄を選ぶと、排泄物や紙が流れきらず、つまりの原因になる場合があります。レバーを途中で戻すなど、メーカーが想定していない操作も避けてください。機種によって洗浄方法が異なるため、取扱説明書も確認しておくと安心です。
トイレタンク内の水量を減らさない
タンク内にペットボトルや重りを入れて水量を減らすと、洗浄水量が不足し、排泄物が流れにくくなる可能性があります。また、入れたものが浮き球やゴムフロートに接触すると、給水や排水の不具合につながるおそれもあります。そのため、タンク内には節水目的の異物を入れず、メーカーが指定する水位を保ちましょう。
給水に時間がかかる、洗浄後も水が流れつづけるなどの変化があれば、内部部品の状態を確認してみてください。
便器やトイレタンク内を定期的に掃除する
便器のリム裏や排水口周辺、便器の水際に汚れが蓄積しないよう、定期的にブラシや適切な洗剤で掃除しましょう。洗浄水が流れる経路に汚れが残っていないかを見ることも、変化に気づく手掛かりになります。
また、タンク内を掃除する場合は、機種によって内蓋を取り外せないものもあるため、説明書に従ってください。部品を動かしたり、タンク内に洗浄剤を入れたりするのは避け、掃除後は給水が正常に止まるか、水流にも問題がないか確認しましょう。
トイレの吸い込みが弱い時はおおいた水道職人にお任せ
トイレの吸い込みが弱くても、タンクの水量不足や軽いつまりが原因であれば、自身での対処で改善することもあります。しかし、水位が上がる、異音が続く、固形物を流したなどの症状がある時は、無理に洗浄を繰り返さないようにしてください。
おおいた水道職人では、大分市や別府市、中津市、日田市など大分県内のトイレのつまりや水漏れ、部品交換などに対応しています。365日24時間お問い合わせを受け付け、作業前に現地の状況を確認してお見積もりをご提示します。水の流れが改善せずお困りの際は、お気軽にご相談ください。
※本記事でご紹介している方法は、一般的な対処法の例です。
作業を行う際は、ご自身の状況や設備を確認のうえ、無理のない範囲で行ってください。
記事内容を参考に作業を行った結果生じた不具合やトラブルについては、当社では責任を負いかねます。
少しでも不安がある場合や、作業に自信がない場合は、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。
監修者

主任
藤本 久幸
《略歴》
弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを修了し、高度な技術と知識を身に着け年間約800件の現場で対応を行う水回りトラブル解決のエキスパートである。
実際に様々なトラブルの対応を行った経験から水回りのトラブルでご家庭で実践可能なことから、トラブルを予防するために行えることをお届けしたいと思っています。
大分のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「おおいた水道職人(大分水道職人)」







