水のコラム
排水口に異物を落としたらどうしたらいいの?状況別対応法

排水口にうっかり物を落としてしまった経験のある方は、意外といらっしゃいます。思わず焦ってしまいがちですが、慌てて間違った対処をしてしまうと、配管トラブルを招く危険もあります。
この記事では、落としてすぐの対処法と、取り除き方を解説します。大切なものを落としたときだけでなく、大きめのごみを落としたときにも役立ちますので、ぜひご活用ください。
目次
排水口に異物を落としたときの対処法
排水口に異物を落としたら、すぐに以下の対処法を実施しましょう。間違って水を大量に流すなどの行動をとらないようにしてください。
水を使っているなら止める
まず、異物が配管やその奥に流れ込まないよう、水をすぐに止めましょう。水流がなければ配管内に留まる可能性が高くなります。その後も取り出すまでは水を使わないようにしましょう。止水栓を閉めておくと安心です。
どこに落としたか確認する
次に、どこに落としたか確認しましょう。すぐに水を止めれば、ヘアキャッチャーやごみ受けに物が引っかかっていることも多いです。また、排水口に落としたと思ったら、別のところに落ちていたケースもあります。
配管の異物トラブルは、まず落ち着くことが大切です。冷静に、どこに何を落としたかを確認しましょう。
放置すると思わぬ配管トラブルを招く原因になる
配管に異物を落としたケースの中には、ペットボトルなどのキャップや、プラスチック製のごみなど、ゴミを落とした場合も多いです。落とした物がゴミだと「大切なものじゃないし、そのままでいいや」と考えてしまう方もいます。
どんな物を落とした場合でも、異物が配管内に入り込んだら、すぐに取り出しましょう。水に溶けない物や吸水性の高い物が配管内にあると、配管の詰まりや破損などの故障につながります。
一戸建てでも一度発生すれば大変な故障ですが、集合住宅で発生した場合、自分だけではくほかの人の家にも被害を与えてしまいます。故障の原因が分かっていながら放置したことが分かれば、管理者や被害者とのトラブルにもつながるでしょう。
目に見えているものは手で拾う
目視で確認ができ、手が届く範囲に落ちている場合、手で拾い上げることができます。ただし、手で拾う際はケガ対策のため、ゴム手袋を着用してください。そして、異物を手で掴んだ後はしっかりと持ち、排水口の中に落とさないように気を付けましょう。
万が一落としてしまうと、奥に入り込んでつまりが悪化する恐れがあります。
また、目で見えていても手が届かない範囲に異物がある場合や、手が届いても拾えない場合は、無理に取ろうとせずに水道修理業者を呼んでください。無理に取ろうとすると異物が奥に落ちてしまう可能性や、排水口から手が抜けなくなる恐れがあります。
排水口に落ちた物はどこにあるの?
応急処置をしても、小さい物だと排水口に落ちてしまいます。そのような場合、以下3つの場所にある可能性が高いです。
配管トラップの中
トラップとは、下水から上がってくる悪臭や虫を防ぐための設備です。配管には一回転しているものや一部が曲がっているものがありますが、その部分がトラップです。中には封水と呼ばれる水が溜められており、この水が悪臭や虫を防いでくれます。
配管に物を落としても、水を流さないようにすればトラップの中に残っているかもしれません。この後解説する方法で探しましょう。
汚水桝
住宅には、下水道の負担を軽減するために油分や汚れを分離するための設備があります。これが汚水桝です。配管内から見つけられなくても、汚水桝に残っているかもしれません。
汚水桝は一戸建てなら中を確認できますが、集合住宅では管理者に連絡し、業者の力を借りなくてはなりません。異物を落としたときは、すぐに管理者へ連絡して指示をもらいましょう。
下水道
排水は最終的に下水道へ流れていきます。落とした異物も同様です。下水道に流れて行ってしまうと、基本的に取り出せません。配管・汚水桝の両方に無い場合、下水まで流れて行ってしまった可能性が高いです。この場合、落とした物はあきらめましょう。
配管トラップの異物を取る方法
異物を落としても配管内に残っている可能性があるなら、分解して取り出しましょう。配管トラップの異物を取る方法を解説します。
必要な道具
作業には以下の道具が必要です。
・軍手またはゴム手袋
・マイナスドライバー
・新聞紙
・モンキーレンチ
・バケツ
配管作業はしゃがんで行うため、力を籠めやすいよう手袋を身につけましょう。マイナスドライバーは止水栓の開閉に使います。新聞紙は養生のための道具です。お風呂場のように、水で濡れても問題ない場所なら必要ありません。
モンキーレンチは配管のナットを外すのに、バケツはトラップの封水を受け止めるために使います。すべての道具を用意したら、作業に取りかかりましょう。
止水栓を閉めて周りを養生する
まずは止水栓を閉めましょう。マイナスドライバーを栓の溝に差し込んでください。そのまま、半時計回しに回します。
止水栓を閉め終わったら、新聞紙で配管周りを養生しましょう。床だけでなく、周辺の壁にも新聞紙を張り付けておくと、万が一水濡れが発生しても安心です。なお、水にぬれても問題ない場所なら、養生の手順は省いても問題ありません。
手またはモンキーレンチでナットを外す
下準備が終わったら、配管を分解しましょう。近くにバケツを置いた状態で作業してください。樹脂製の配管なら手で、金属製ならモンキーレンチで配管を留めているナットを外します。ナットを外すとき、水漏れすることがあるため、ご注意ください。
トラップの中をバケツに空けて配管周辺を探す
トラップがついている配管を外したら、中身をバケツに空けてください。異物があるか調べましょう。中にゴミがたまっていたら、ついでに取り除いておくと配管詰まりの予防にもなります。
配管の形状によっては、トラップに無くてもその周辺に異物が落ちている場合もあります。配管をすべて外したら、管が刺さっていた部分も確認してください。
配管とその周辺を探し、異物の有無を確認できたら、後片付けに入ります。配管を外したときとは逆の手順でつなげていき、もとに戻してください。ナットを締めるときは水漏れしないようしっかり締めてください。
配管を元通りにしたら止水栓を開けます。閉めたときと同じ回数だけ時計回しに動かしてください。その後、水を少し出して水漏れがないか確認します。あとは養生を外し、道具を片付けて終了です。
一戸建てなら汚水桝まで確認できる
一戸建てなら汚水桝まで確認できます。住宅のある敷地内に「おすい」と書かれたふたのある配管があるはずです。ビニール手袋をし、シャベルと二重にしたビニール袋を用意して中の物をさらってください。
軽い物なら水面に浮いていますが、重さのある物だと汚水桝の底に沈殿しています。下の汚れを救って探しましょう。
集合住宅や配管外しが自分でできない場合は業者へ連絡しよう
これまで異物を落としたときの取り除き方を解説しましたが、中には自力で作業するのが難しい方もいるかと思います。
また、集合住宅の場合、配管の分解や汚水桝の確認をするには管理者の許可や指示が必要です。自分で作業するのが難しいなら、業者に連絡して対応してもらいましょう。
まとめ
排水口に物を落としたら、すぐに水を止め状況に応じて取り出す作業を行いましょう。そのままにすると別の深刻な配管トラブルを招いてしまいます。
作業は手間がかかりますが、手順自体はとても簡単です。自分でできるならすぐに取りかかりましょう。難しい場合は、すぐに業者を呼んでください。
監修者

主任
藤本 久幸
《略歴》
弊社指定の水道メンテナンス研修プログラムを修了し、高度な技術と知識を身に着け年間約800件の現場で対応を行う水回りトラブル解決のエキスパートである。
実際に様々なトラブルの対応を行った経験から水回りのトラブルでご家庭で実践可能なことから、トラブルを予防するために行えることをお届けしたいと思っています。
大分のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「おおいた水道職人(大分水道職人)」







